東京スター銀の無料ATM 三菱UFJが契約解除通告
「銀行間手数料膨らむ」
~日経新聞 2006/08/22 3 面から
三菱東京UFJ銀行が東京スター銀行に対し、自行の顧客が無料ATMを
利用できる契約を10月1日で解除すると通告したことが明らかになった。
無料ATMは東京スター銀の顧客でなくても平日昼間の利用手数料がかか
らず、急速に広がっていた。利用が増えるにつれ三菱東京UFJが負担する
手数料が膨らみ、自行のATM運営に障害が生じかねないことが背景。他の
大手銀行なども解約を検討しており、無料ATMの普及に打撃を与えそうだ。
●● 今回問題となったのは、「ゼロバンク」と呼ばれる手数料無料の
コンビニATMです。
対象となっているのは、スター銀行が管理している東京都、神奈川
県、千葉県、埼玉県内の「サークルK」と「サンクス」に設置されて
いるATM、1400台程度になります。
このゼロバンクは、全国約1,600の提携金融機関の平日・土曜の
時間内引き出し手数料が無料となっています。
ただ、実際には、ATM利用者は無料ですが、このゼロバンクから
三菱東京UFJ銀行のカードを利用して現金が引き出された場合、
三菱東京UFJ銀行は、ゼロバンクを運営する東京スター銀行に
銀行間手数料として1件あたり105円を支払う必要があります。
ゼロバンクは、このようなカード発行銀行から受け取る手数料で
ATMを無料で提供するという仕組みになっていました。
しかし、最大手銀行である三菱東京UFJ銀行からストップが
かかりました。
利用者が多い銀行であればあるほど、このゼロバンクに支払う
手数料は増加します。
自行のATMであれば、銀行間手数料が不要であるところを、
顧客がゼロバンクを利用すれば、その都度手数料がかさんで
しまいます。
大手銀行にとって、金銭的なメリットはほとんど無いといえる
でしょう。
ゼロバンクを運営している銀行は、関東圏の東京スター銀行と
中部圏の大垣共立銀行・三重銀行です。
いずれも地方銀行であり、大手銀行に比べたら、顧客数は極めて
少ないといえます。
そのため、このような顧客の多い大手銀行の銀行間手数料に目を
つけたビジネスが展開できたといえます。
しかし、ここにきて、三菱東京UFJ銀行からの契約解除通告が
出されました。
10月以降、ゼロバンクで三菱東京UFJ銀行のカードが無料では
利用できなくなる可能性が高いです。
最大手銀行が契約解除に動いたため、このゼロバンクの仕組みに
不満を持っていた多の大手銀行が追随する可能性は高いといえます。
急速に普及しつつあったゼロバンクですが、そのビジネスモデルを
根底から見直す必要に迫られています。
《関連Webサイト》 東京スター銀行
http://www.tokyostarbank.co.jp/