次世代DVD統一へ 共同で新規格開発
ソニー、東芝両陣営が交渉
~日経新聞 2005/04/21 1 面から
DVD(デジタル多用途ディスク)の次世代規格を巡って対立していた
ソニーと東芝は、互いに主張する自社陣営の方式を新たに共同開発する
「第3規格」に統一する交渉に入った。米ハリウッドの映画会社にも
統一規格の採用を打診しており、早ければ月内の合意を目指す。次世代
の映画ソフトや機器を普及させるには規格分裂の回避が不可欠と
判断した。世界の大手家電メーカーなどを2分した標準規格争いが
決着すれば、消費者の利便性も増す。
●● 消費者にとって、これは大変良いニュースです。
ユーザーからみれば、規格の乱立は、不便以外の何者でも
ありません。
SDカード、コンパクトフラッシュ、メモリースティックなど
規格が乱立してしまったメモリーカードが良い例です。
デジカメや携帯電話の買換えの際、メーカーを変えてしまうと、
メモリーカードの互換性が無くなってしまうというようなことが
起こります。
同一目的の商品を、規格の違いから買い換えなくてはならない
ということ自体、消費者を無視したメーカー側の押しつけと
いえます。
今回、次世代DVD規格統一へと動き出したのは、ソニーの
トップ交代が大きな影響を与えた可能性が高いと考えられます。
経営不振から辞任した前の経営陣は、MD・CDの経験を元に、
自社規格に強い執着を持っていました。
しかし、メモリーカード市場にメモリースティックという独自規格
を持ち込んだ結果、他社の賛同を得られず孤立し、メモリー
スティック専用のデジカメからパソコン・携帯電話までが、他社製品
との互換性を欠き、共倒れの様相を見せていました。
次世代DVD規格においても、独自規格ブルーレイ規格を主導し、
先行していたHD-DVD規格との全面対決へと突き進んでいました。
すでに、独自のブルーレイ規格で製品を開発・発売し、規格の普及へと
邁進している状態でした。
そこに突然、両規格統一交渉の発表となりました。
ソニー経営陣の交代が発表されたのが、先月7日のことです。
その後、ソニー株価が6日連続で高騰するなど、市場では、この
交代は強く評価される形となりました。
今回の規格統一も、ソニーの英断といえるでしょう。
おそらく、先の経営陣の交代がなければ、この決断は無かったものと
予想できます。
規格を争うのではなく、ユーザーにとって利便性の高い規格の中で、
ソニー独自の商品を発表するという道が、ソニーに求められている
方向性なのではないでしょうか。
《関連Webサイト》 ソニー
http://www.sony.co.jp/