小型ヘッドで花粉逃さぬ――英ダイソン日本法人
~日経新聞 2005/01/26 29 面から
英家電メーカーのダイソンの日本法人、ダイソン(東京・千代田)は2月1日、
花粉対策を充実したサイクロン掃除機の新製品「DC12complete
(コンプリート)」(写真、店頭価格83,800円)を発売する。
日本向けに開発した小型の「DC12」をベースに布団用、すき間用の各専用
ノズルと車内などで便利な小型ヘッドをセットにした。
すき間ノズルは伸び縮みする。先端をゴム状にしてすき間の形にあわせ奥まで
掃除しやすいよう工夫した。小型ヘッドはソファなどの花粉も吸い取りやすい
という。
●● ダイソンが販売しているサイクロン掃除機DC12は、下記のような商品
です。
https://www.iw-jp.com/rk.php?id=dejikura/452010/450048
ダイソンの掃除機は、ここ数年、急速にテレビコマーシャルや家電
量販店店頭でのディスプレイが目立ってきましたので、多くの方が
ご存知だと思います。
通常の掃除機と比較して、2~3倍という高価な商品ですが、吸引力
が衰えにくい点と、排気する空気がクリーンである点などが消費者に
受けて、堅調に売上を伸ばしているようです。
先週公開されたキリンビールのインターネット調査では、現在、
日本国民の2人に1人の割合で花粉症の症状を訴える人がいると
いう結果でした。
http://www.kirin.co.jp/company/news/01/15/050118_1.html
最近10年の間に発症した人が全体の約7割に達し、発症する割合が
都市圏で高いことなどから、キリンビールでは、花粉症を
『都市型の現代病』と位置づけています。
全体の50%近い方々症状に悩んでいる花粉症は、国民病と捉えても
間違いではないでしょう。
そろそろ花粉の飛散が始まるこの時期、多くの国民が対策に動き
始めています。
それに応じて、医薬メーカー・百貨店・ドラッグストアなどが一斉に
対策商品の販売を加速させています。
処方せんなしで買える花粉症治療薬の市場規模は昨年度で340億円程度
といわれています。
甜茶・ヨーグルト・空気清浄機・マスクなど、花粉対策関連商品すべて
を含めると、すでに数千億円規模の市場になっている可能性も高いと
いえます。
環境省の予測によれば、今年の花粉飛散量は全国的に前年と比較して
大幅に増加するということです。
特に都市部においてその傾向が強く、飛散量は東京で昨春の10倍、
大阪で20倍になると予測しています。
http://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/html/
今春、花粉対策市場の規模は、ますます大きくなることでしょう。
しかし、一方で、花粉症の症状による労働効率の低下や、外出を
控える人が増加するなどの影響により、結果として景気には悪影響を
与える可能性が指摘されています。
第一生命経済研究所によれば、今春の花粉被害が1-3月期のGDPを
0.6%(年間換算)押し下げると試算しています。
特に個人消費だけで見ると、花粉症の影響によってGDPは年1.0%
押し下げられる計算になります。
金額にして5兆円という巨額です。
花粉対策の特効薬が発明された場合、その発明対価は、青色
ダイオードに匹敵もしくはそれ以上のものとなるかもしれません。
≪関連Webサイト≫ ダイソン株式会社
http://www.dyson.co.jp/