お金の溜まり場「無」「ゼロ」へ出費プラス
~日経新聞 2008/08/12 5 面から
埼玉県飯能市にある曹洞宗福王山正覚寺。うるさいほどにセミが鳴く戸外を
よそに、本堂は静寂につつまれる。流れ落ちる汗もそのままに、そこで座禅
を組む老若男女。「無」になれる時間を得ようと集まった人たちだ。
お寺に泊まって座禅を組み、読経や写経、作務を体験。入浴や食事の作法も
学ぶ。この「宿坊座禅」を正覚寺が始めたのは20年前。ここにきて、参加
希望者が急速に増えている。料金は1泊2日で6,500円。年に1,000人以上が
参加し、夏休み中は3カ月前には予約が必要だ。
●● 同じ規格の商品を大量生産して売りさばくという時代は終わり、
個々の消費者に対して、必要な商品を届ける時代になってきて
います。
そして、さらに、消費者は、モノではなく、ココロにお金と時間を
使うようになってきているようです。
今回、日経で紹介された「宿坊座禅」は、まさにその流れといえ
ます。
利用者のニーズは、「気分の一新」であったり「心のトレーニング」
であったりと、モノを手に入れるという欲求ではありません。
自己を顧みたり強くしたりという欲求に対して、対価を支払うと
いうものです。
また、寺院や神社がパワースポットとして人気を集めるように
なってきました。
同時に、写経会・写仏会などの人気も向上しており、関連書籍が
売れています。
時代に残されていたような寺院や神社が、人の欲求がモノから
ココロに移り変わってきた事で、息を吹き返そうとしている
ようです。
同時に取り上げられたノイズキャンセリングヘッドホンも、
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B00160H4K2
モノが欲しいと言うよりは、静寂な心を取り戻したいという欲求が
強く感じられます。
ある意味、この商品は、静寂なココロを売っている商品とも言え
そうです。
また、現在、ココロと同時にニーズが高いのは、健康。
健康保険や年金に不安が高まってきている昨今、健康管理の重要性が
認識されてきていると言えるのかもしれません。
また、同時に、自分の健康への投資が、最も効率的・効果的な投資で
あると考える人が増えてきたように思います。
以前のように健康保険で医療費自己負担が1割の時であれば、病気に
なった時に医者にかかった方が費用的にも安価で住んだ可能性が
あります。
しかし、現在のように3割負担になると、単純に見ても以前の3倍の
負担になっています。
その結果、自費を使ってでも病気になる前に予防した方が、経済的で
あるということが認知されてきているのかもしれません。
モノの購入よりも、ココロとカラダへお金と時間を投資する時代に
移ってきています。
今、このニーズの変化への対応が企業に求められています。
《関連Webサイト》宿坊研究会
http://syukubo.com/