ソニー、ハイビジョン撮影可能な世界最小ビデオカメラ
~日経新聞 2008/04/04 27 面から
ソニーは3日、手のひらサイズに収まり、ハイビジョン撮影が可能な製品
では世界最小・最軽量となるビデオカメラの新製品を20日に発売すると発表
した。コーヒー缶ほどの大きさで、重さは約300グラム。スーツのポケット
にもきれいに収まる。親指1本で操作ができ、携帯電話で写真を撮るのと
同じ感覚で、気軽に高画質録画を楽しめるよう工夫した。
●● ビデオカメラは、日本企業が世界シェアのほとんどを占める製品
です。
その中でも、ソニーは40%近いトップシェアを誇っており、他社に
譲れない製品カテゴリーのひとつであると思います。
ソニーに続くのは、松下電器産業、日本ビクター、キヤノン。
この4社で世界のビデオカメラ販売シェア90%以上を握っています。
今回ソニーが発売したのは、映像をメモリーカードに記録するタイプ
の新機種。
ハイビジョン撮影が可能なビデオカメラのなかでは、世界最小の
機種であるようです。
また、AVCHD規格に対応しているため、撮影した映像をハイビジョン
品質のまま通常のDVDにコピーできます。
ソニーのプレイステーション3など、AVCHD規格に対応したプレイヤー
であれば、普通のDVDでハイビジョン映像が視聴できるのです。
しかし、この機種にも、ソニーはメモリーカードにメモリースティック
を採用しています。
現在、メモリーカードのシェアにおいて、その80%を占めるのがSD
カード。
ソニーのメモリースティックは、10%程度に低下しており、現在、
メモリースティックを採用しているのは、ソニーだけという状態に
なってきています。
それでも、まだ、ソニーはメモリースティックに執着しているよう
で、この新機種は、記録媒体がメモリースティックのみとなって
います。
昨今では、メモリースティックスロットのないパソコンも増えて
きており、汎用性といった面では非常に不便なメモリーカードに
なりつつあります。
もしかしたらソニーは、このメモリースティックに固執するあまり、
各種製品のシェアを落としている可能性があります。
ソニーのバイオやプレイステーション3などは、メモリースティック
と同時にSDカードにも対応していますが、ビデオカメラでは、まだ
SDカードに対応した製品は発売していません。
現在シェア2位の松下電器産業が、SDカードのシェアを利用して、
ビデオカメラでも今後シェアを伸ばしてくる可能性が高くなって
いると考えられます。
松下は、製品自体も、ソニーを追い越すレベルに達してきています
ので、多くのユーザーが使い勝手の面で、SDカード対応の松下の商
品を選ぶケースが今後増えてくるでしょう。
ソニーは、いつメモリースティックと決別できるのでしょうか。
これは、ソニーにとって、非常に重要な決断になりそうです。
《関連Webサイト》HDR-TG1
| 商品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/PRODUCTS/HDR-TG1/