米ヤフー、MSの買収提案拒否を発表


米ヤフー、MSの買収提案拒否を発表

   

      ~日経新聞 2008/02/13 11 面から



米ヤフーが11日、買収価格を不服としてマイクロソフト(MS)の買収提案を
拒否すると発表し、MSによるヤフー大株主への支持拡大工作が次の焦点に
浮上してきた。MSはヤフーからの人材流出を懸念して強硬策には慎重と
されており、MS・ヤフー両社に出資する五大機関投資家への働きかけを
強める構えだ。


●● インターネットの業界地図を大きく変える買収劇が続いています。


   今回、ヤフーが買収提案を拒否したことで、この買収提案は、
   一旦MS側に戻されました。

   ただ、ヤフーは提案自体を却下したわけではありません。

   以前のMS嫌いのヤフー・ヤンCEOなら、今回のような買収提案は
   言下に断ったでしょう。

   しかし、日本と違い、グーグルに追い抜かれ、今では、かなりの差を
   つけられてしまった米ヤフーは、ばっさり断ることができない状態
   にあるのだといえます。


   ヤフーが反論したのは、買収価格について。

   MSの提案した1株31ドルを過小評価としました。

   報道によれば、1株40ドル以上でないと交渉には応じないとして
   います。


   ただ、MSが買収提案をした際のヤフーの株価は19ドル。

   40ドルという数字は、当時の時価の倍です。

   市場の評価から見れば、31ドルでもかなりのプレミアをつけた価格と
   いえます。

   しかし、ヤフーが敵対関係にあったMSからの買収提案を受け入れる
   には、それ相応の見返りが必要だと言うことなのでしょう。


   ヤフーにとって、1株40ドルという数字は、ここ5年間の最高値です。

   業績の低迷が顕著なヤフーにとって、この40ドルという数字は
   死守したい最低ラインだといえるのかもしれません。



   今回ヤフーは、過小評価を名目に買収提案を断りました。

   そのため、MSが価格引き上げに動いた場合、ヤフー側は、それを
   断る理由が無くなります。

   もちろん、そのこともヤフー首脳陣は知っているはずですので、
   ヤフー側は、買収する株価によって面目が保たれれば、自社を
   売却するということも視野に入れているようです。


   ただ、1株40ドルになった場合、MSが支払う金額は総額6兆円
   を超えます。

   ソニーの時価総額が現在6兆円程度ですので、この数字がどの
   程度巨額か判るかと思います。

   時価総額35兆円のMSにとっても大変な巨額です。


   いくらMSでも、この買収に失敗した場合、大きな危機が訪れる
   ことになる可能性が高いです。

   逆に言えば、それほどグーグルが驚異なのだともいえるでしょう。



   MSが買収価格をどこまで上げるか。

   今はそれが争点となりました。

   ヤフーがMSに買収されることは、ある程度決まってしまったの
   かもしれません。



《関連Webサイト》 ヤフー
 http://www.yahoo.com/