携帯で商品のバーコード撮影、口コミ評判など表示
東芝、今年度中に実用化
~日経新聞 2006/06/30 15 面から
東芝は携帯電話を利用し、購入したい商品の口コミの評判を調べることが
できる技術を開発した。商品のバーコードをカメラ付き携帯電話で撮ると、
情報が送られ、インターネットのブログ(日記風の簡易ホームページ)に
書き込まれている商品の評判が携帯画面に表示される。商品を購入する際の
参考にできる。今年度中に実用化する。
利用者はあらかじめ専用ソフトをダウンロードしておく。バーコードを撮影
した情報は、自動的にデータが東芝のサーバーに送信され、バーコードから
特定した商品の評判を日本語ブログから集める仕組み。
●● 大手家電メーカーが、このようなサービスをはじめるのは、かなり
異例のことといえるのではないでしょうか。
東芝は、1999年に起きた東芝クレーマー事件で、インターネットに
よる口コミの威力を、日本で最初に実感した企業かもしれません。
東芝クレーマー事件
http://tinyurl.com/qrjmb
その東芝が、店頭で商品の口コミ情報を検索できるサービスを開発
しているのです。
仕組み自体は、至って簡単です。
まず、利用者は、店頭で商品のバーコードを読み取ります。
これにより、どのような商品でも商品を特定することができます。
次にその商品に関するブログの情報を収集し、表示します。
その結果、その商品に関するユーザーの生の声が表示されることに
なります。
携帯電話を使うため、店舗店頭でそのまま商品の口コミ情報を
得ることができるのです。
ただ、このような仕組みが無くても、手動で携帯を使ってブログ
検索を実施すれば、口コミ情報の取得は可能です。
東芝が開発している仕組みには、自動的に文章を解析し、商品について
のプラス情報・マイナス情報を判断し、その総数を表示することが
できるようになる機能が含まれます。
おそらく、この仕組み自体は、すでに東芝が社内で開発し、利用
しているものであると考えられます。
クレーマー事件で、ネット上の口コミ情報の重要性を実感した同社が
このような仕組みを開発し、自社商品の情報を収集していたとしても
全く不思議ではありません。
開発済みの仕組みの費用を回収するため、一般に公開することを
進めているのではないでしょうか。
ただ、通常、このような仕組みは、メーカーなどとは利害関係のない
企業などが開発するのが一般的といえます。
メーカー自体が開発したサービスで、客観性が保てるかどうかが
重要となってくるといえます。
また、競合他社にとっては、自社商品に関するユーザーの動向が、
東芝側に筒抜けになることも考えられます。
各方面に波紋を呼びそうなサービスといえるのではないでしょうか。
《関連Webサイト》 東芝 http://www.toshiba.co.jp/