ゲーム責任者交代、「Xbox360」テコ入れ


ゲーム責任者交代、「Xbox360」テコ入れ

   マイクロソフト日本法人

      ~日経新聞 2006/02/17 12 面から



マイクロソフト日本法人は16日、日本市場の家庭用ゲーム事業責任者にあたる
Xbox事業本部長が4月1日付で交代すると発表した。新本部長には現在、
同事業本部でマーケティングを担当している泉水敬氏(41)が就任する。
昨年12月に日本で発売した「Xbox360」は販売不振が続いている。
マーケティング担当者を昇格させ、販売強化を目指すとみられる。
新型ゲーム機Xbox360は欧米などでは人気が高いものの、日本市場では
発売以来、苦戦している。マイクロソフト日本法人は「新型ゲーム機の販売
動向と今回の人事異動の関係はない」としている。



●● 鳴り物入りで昨年末に発売されたマイクロソフトのゲーム機
   Xbox
360ですが、当初の予測を大きく下回る販売成績となって
   いるようです。


   発売当初、マイクロソフトは、Xbox
360の発売後90日間における
   世界販売台数の予想を300万台としていました。

   しかし、先月末のマイクロソフト社の発表では、この予想を引き下げ、
   250万台としています。


   特に、日本での販売は極めて不振です。

   ゲーム業界専門の調査会社、メディアクリエイトの発表によれば、
   日本で発売された直後の2日間の販売台数はおよそ4万台。
   一方、発売日に店頭に並んだ台数は約16万台。

   出荷された台数の3割以下しか売れなかった計算です。
   これは、初代のXboxを下回る数字であったということです。

   アマゾンでは、Xbox
360 発売記念パック(初回限定生産)が今もまだ
   販売されている状態です。
    https://www.iw-jp.com/am.php?id=B000A41GHC


   初代のXboxは、米国や欧州ではPlayStation2に次ぐシェアを獲得しま
   した。
   しかし、日本市場ではほとんど売れず、シェアでは2%程度に低迷して
   います。

   この反省をふまえ、マイクロソフト社は、対抗機種となるPlayStation3
   に半年以上も先行する形で、Xbox
360を発売しました。

   また、日本での不振を、ゲーム機自体のデザインやゲームソフトの
   少なさと分析したマイクロソフト社は、有名ゲームデザイナーを
   多数起用し、発売と同時に人気ゲームを複数売り出しました。

   さらに、シェア獲得を優先し、ゲーム機の販売価格はかなり安く
   抑えられているといわれています。


   以前、Xbox
360の原価を推測した記事がありました。
   その内容は下記のようなものです。

     CPU 106ドル
     グラフィックプロセッサ 141ドル
     メモリ 65ドル
     そのほかDVDドライブ、HDD、アクセサリ、印刷物、
     パッケージ、組み立て、テストの費用など

   合計すると推定原価は550ドルということでした。

   Xbox
360の定価は399ドル。
   1台売るごとにおよそ150ドルの赤字という計算になります。


   ここまでしてシェア獲得を目指したマイクロソフト社にとって、
   初代Xbox以下のスタートをとなったXbox
360の不振は、極めて
   大きな誤算であったでしょう。


   PlayStation3は、今春にも投入されます。

   シェアの挽回に費やせる時間は、もうあまり残っていません。


《関連Webサイト》 Xbox.com
日本 http://www.xbox.com/ja-JP/