携帯プレーヤー 2強対決 アップルvsソニー
~日経新聞 2005/09/09 11 面から
インターネットによる音楽配信サービスとハードウエアを組み合わせた
デジタル音楽市場で、最大手の米アップルコンピュータと2番手ソニーが
激突している。両社は日本時間の8日、相次いで携帯音楽プレーヤーと
音楽管理ソフトの新製品を発表。互いに相手を意識した戦略を明確にした。
両社の競争によって利便性が高まり、音楽の消費形態の変化が一段と加速
しそうだ。
●● 見出しには2強とありますが、世界的にも、また、日本国内で見ても、
携帯プレーヤーのシェア関しては、横綱と関脇くらいの差があると
いえます。
ワールドワイドでのiPodシェアは80%弱。
国内におけるiPodのシェアは40%弱。
ソニーは、国内では20%弱のシェアがありますが、世界的には、
ほとんどシェアを持っていません。
音楽配信事業でも、アップルのiTMSのシェアは80%を超えると
いわれています。
国内は、先月配信が始まったばかりですが、配信曲目数は100万曲。
ソニーが展開する「モーラ」の20万曲を大きく引き離しています。
また、今回の製品発表で、アップルの商品が同日発売であったため、
ソニーの商品も同日発売と思われた方が多いかと思いますが、ソニー
商品の発売は、2ヶ月後の11月19日。
ソニーは、わざわざiPodの発売日に商品発表をぶつけてきたようです。
しかし、同一容量の2GBで比較すると、ソニー商品の方が1万円以上
高い価格帯となっています。
昨日、商品を同日発売し、すでにアマゾンなどで、ランキング1位を獲得
しているアップルと、
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B000A40NGW
発売が2ヶ月先のソニー。
しかも、アマゾンでランキング1位になっているのは、メモリーが
4GBの商品。
https://www.iw-jp.com/am.php?id=B000A40NGW
ソニーは、フラッシュメモリー型では2GBまでの商品しか発表して
いません。
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200509/05-0908/
最近のソニーは、製品の機能や技術的には他社よりも優れている
ものの、自社の技術やブランド力を過信して、消費者の視点を
見失っているといわれています。
一方、MACでWindowsに惨敗したアップルは、技術や機能より、
消費者にいかに使ってもらうかということを第一に考えているように
感じます。
今回の商品発表で、ソニーの責任者が、「ソニーはこれまで、自前の
規格・技術にこだわりすぎた。これからは、オープンな規格や技術を
取り入れていきたい」と語っていました。
新聞などでは取り上げられていませんが、この姿勢の変化が、現在の
ソニーには、最も必要で、最も重大な決断であったと思います。
この決断が、今後の商品にどのように反映されてくるのか。
ソニーの変貌に期待したいと思います。
《関連Webサイト》 アップル iPod
http://www.apple.com/jp/ipod/