東芝・育児休暇3歳までに延長、三菱地所・丸の内に託児所
~日経新聞 2005/03/10 面から
東芝は4月から、育児休暇期間を子供が満3歳になるまでに延長する。現在の
満1歳までを大幅に延ばすことで、育児を理由に有能な人材が退職することを
食い止める。富士通も育児休暇期間の延長を決めるなど、4月の次世代育成
支援対策推進法の施行をにらみ、電機大手が相次ぎ育児支援制度を充実させて
いる。
東芝社員であれば配偶者が働いていない場合でも新しい制度を使うことが
できる。男性、女性とも利用可能。満3歳までという長期にわたる育児休暇
を認めるのは国内の製造業では異例だという。
富士通も育児休暇期間を現在の1年から1年半に延ばす方針。NECは社員が
育児のために親の家の近くに転居する費用を補助するなどの制度を導入する。
●● まだ、ほとんど実感がありませんが、将来、日本の少子化は大変深刻
です。
日本の人口は、今年か来年にはピークを迎え、その後、減少に転じ
ます。
統計データなどによれば、減少率は、およそ年0.5%。
毎年、50万人の人口が減少する計算になります。
国が政令指定都市として指名する対象となる都市は、「人口50万人を
超える都市であること」という条件があります。
いってみれば、来年以降、大きな都市1個分の人口が、毎年減少して
いくと予測されているのです。
これまで当たり前であった経済の法則が通用しなくなる可能性もある
といえます。
たとえば、株式に長期投資をした場合、そのリターンは10%程度に
なるという長年の経験則がありますが、人口が減少に転じた場合、
この法則が成り立つ保障はどこにもありません。
日本だけでなく、世界的に近代社会の先進国経済は、すべて人口が
増加するという事実の上に成り立っています。
きわめて単純に考えれば、人口が増加した分、経済が成長すると
いう論理はまったく的外れではないでしょう。
この論理で考えれば、人口が減少するという状態は、基本的に経済が
縮小していくことを意味します。
日本はまもなく、この人口減少という事態を迎えます。
2003年7月に「次世代育成支援対策推進法」が成立・公布されました。
これは、いわゆる少子化対策に関する法律です。
この法律により、301人以上の労働者を雇用する事業主は、2004年度末
までに「一般事業主行動計画」を策定し、2005年4月1日以降、速やか
に届け出なければならないと定められています。
大手企業の雇用に関する対策が相次いで発表されているのはそのため
です。
小手先の対策である感は強いですが、何もしないよりは数段よい
といえます。
日本はおそらく、その危機に直面しないと動けない国家だといえます。
ただ、危機に直面した場合、速やかに対処できる国家でもあります
ので、国民がこの問題を常に意識しておく必要があるのではないで
しょうか。
≪関連Webサイト≫ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画
http://www.mhlw.go.jp/general/seido/koyou/jisedai/