「姑息」意味取り違え7割

「姑息」意味取り違え7割

   日本語 変わる使い方

      ~日経新聞 2004/07/30 社会 面から

「げきを飛ばす」「姑息(こそく)」「ぶぜん」の意味を70%前後の人が
誤解していることが29日、文化庁の日本語に関する世論調査で分かった。
本来の表現ではない「的を得る」「押しも押されぬ」を誤って使っている
人も半数を超え、慣用句などの誤用が広がっている。
文化庁は「本来とは違う意味や表現が定着しつつあるのかどうか、注目
したい」としている。

●● 「げきを飛ばす」「姑息」「ぶぜん」
   発行人も、見事に、多数派の意味で使っておりました。

   語句が、本来の意味と違う意味で使われ、しかも、違う意味で
   使われるケースのほうが多い場合、意思が伝わらないばかりか、
   大きな誤解を招くこともありえます。

   今回、文化庁が発表した「ぶぜん」などは、本来の意味と、
   取り違って使われている意味が、正反対とまでは言いませんが、
   全く異なります。

   おそらく、同世代同士の会話であれば、同じ意味合いに捉える
   ことが出来ると思いますが、世代が違う場合、お互いに誤解を
   招くケースも存在するでしょう。

   1年前に行われた同様の調査では、「力不足」と「役不足」の意味の
   取り違えが大きく報道されました。

   この報道以降、この語句が使われるケースが、めっきり減ったと
   感じるのは、発行人だけではないと思います。

   要らぬ誤解や、語句の説明などの手間を避け、意味の取り違えが
   起こりそうな語句が、会話や文章中で利用を避けられるのは、
   至って自然な傾向だといえるでしょう。

   ただ、こうして、意味の取り違えが進んでしまった語句が、徐々に
   使われなくなってしまうようになると、それはそれで寂しいことだと
   思います。

   現に、今回の調査では、10代の若い世代は、慣用句を使わない傾向が
   強くなっているとの結果も出ています。

   「姑息」や「ぶぜん」「さわり」などは、通常利用する語句です。

   文化庁が、本来とは違う意味や表現が定着しつつあるのかどうかと
   いう点に注目しているように、時代と共に語句の意味が変わっていく
   というのは、善悪を判断するものではなく、自然な流れなのかも
   しれません。

   全く根拠もなく、違う意味が普及するとは考えにくいといえます。

   このような文化庁の調査は、年間1回のペースで実施されている
   ようですが、日本語を考えるいい機会をわれわれに与えてくれている
   のではないでしょうか。

《関連Webサイト》 文化庁