ウイルス「マイドゥーム」国内届け出245件
~日経新聞 2004/02/06 社会 面から
独立行政法人「情報処理推進機構」(IPA)が五日発表した一月の
コンピューターウイルス届け出状況によると、米国などで猛威を振るって
いる新型コンピューターウイルス「マイドゥーム」が245件と先月27日の
出現確認からわずか5日間で月間のウイルス届け出件数の内訳でトップと
なった。全体の件数は1323件と前月比8.9%減少した。
同ウイルスは主に英語圏で急拡大。メールの件名が「Hi」「Error」
「Hello」など英語で書かれていることもあり、日本での感染拡大
ペースは比較的緩やかという。
●● ウイルスの作者は、次々と知恵を絞って、新たなウイルスを製造
してきます。
その労力をもう少し違った方向に活かせないものだろうかと考える
のは私だけではないはずです。
これまで発生しているメールウイルスは、そのほとんどが英語で
書かれたもの。
そのため、日本では、件名が英語で添付ファイルがあるメールは、
開封せずに削除することで基本的に対処することが可能でした。
これまでのところ、日本国内には、メールウイルスを作ってばら
撒くような人はほとんどいないようです。
ただ、日本語の件名を語るメールウイルスは、これまでのところ
1件だけ見つかっています。
一昨年に発見された「W32/Fbound」というウイルスだけです。
しかし、このウイルスは、感染力が極めて弱く、ほとんど被害が
広がりませんでした。
しかし、今後、日本語の件名を語るウイルスが発生しない保証
はありません。
ウイルス対策は常に万全を期すに越したことはありません。
現在、最も普及しているメールソフトであるOutlook Expressの
場合、最新版であるバージョン6では、ソフトの設定だけで今回の
ようなメールウイルスの感染をある程度防ぐことができます。
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;291387
使い勝手は悪くなりますが、安全を手に入れるためには我慢
できる程度だといえるでしょう。
また、最近のメールウイルスは、発信者を偽ります。
例えば、あなたの元にAさんからウイルスメールが届いたと
しても、そのウイルスメールを送信したのは、Aさんではない
ケースがほとんどです。
そのため、ウイルスに感染し、ウイルスメールをばら撒いている
Bさんは、自分がウイルスに感染したことに気づくことが遅れる
結果となってしまいます。
政府やネット関連の業界団体などがウイルス対策に力を入れ始め
ていますが、根本的な解決には程遠い状態です。
ウイルス作者を特定できないことが、ウイルスの発生を抑えら
れない大きな要因といえます。
高い匿名性を持つことができるインターネットのシステムを少し
改善する必要があるのかもしれません。
《関連Webサイト》 情報処理推進機構:セキュリティセンター