音楽CD逆輸入禁止めぐり攻防
消費者団体
レコード業界
~日経新聞 2004/01/14 7 面から
日本の人気歌手らの音楽CDの逆輸入を禁止するかどうかで、音楽業界と
消費者団体が対立している。業界側は安価な海外専用版の輸入を止めない
限り、日本の楽曲を海外に売り込めなくなると主張。文化庁も著作権者が
輸入を阻止できる「輸入阻止権」の導入を検討している。しかし消費者団体
などは安いCDを買う機会を奪うと反対しており、調整には時間がかかり
そうだ。
東京都内の安売り量販店。レコード店で3,000円前後するスピッツや浜崎
あゆみらのCDが1,980円で売られている。CDは再販価格のため安売り
できないが、これらは逆輸入品のため低価格になっている。
●● インターネットオークションなどでも、逆輸入音楽CDが出品され
るようになってきています。
当然価格は日本国内販売価格よりかなり安価なものとなっています。
ネットの普及により、あらゆる商品の価格が国際的な競争にさら
されます。
国際的に見て、日本の音楽CDの価格が高いということは、まぎれも
ない事実であるようです。
今年から、隣国・韓国で、日本語CDの販売が解禁されました。
解禁日の様子がマスコミなどで報道されていましたので、ご存知の
方も多いのではないでしょうか。
韓国の場合、日本語CDの販売価格は、日本国内の販売価格のおよそ
半額程度。
海賊版でない正規の日本語音楽CDが、隣国へ行くと半額で入手
できるのです。
台湾でも日本語音楽CDは、日本国内に比べて半額程度、中国の場合
には、1/3程度の価格で販売されています。
先日お伝えした、違法ドラッグではありませんが、国内外価格の
差を利用して商売をすれば、十分利益を得る可能性があるのです。
こういった状況をみて、動き出したのがレコード業界です。
逆輸入を阻止するために、著作権法を改正して、輸入阻止権を行使
できるよう政府に申請する準備を始めました。
しかし、このようなレコード業界だけを守るような法改正がなされる
かどうかは難しいところです。
現在、ほとんどの業種が国際的な価格競争にさらされています。
その中で、コストダウンや高付加価値化などによって、こうした国際化
と戦っているのです。
レコード業界は、再販制度や著作権法に守られたまま、国際競争を
回避する道を選択したといえます。
《関連Webサイト》 社団法人 レコード協会
http://www.riaj.or.jp/