タミフル、服用後に39人死亡・厚労省調べ
~日経新聞 2005/12/16 面から
厚生労働省は15日、新型インフルエンザに有効とされる抗ウイルス薬
「タミフル」について、2001年2月の国内発売から約5年間で医療機関など
から報告された服用後死亡例の状況をまとめた。
それによると、服用後に死亡したのは39人で、17歳以上が26人、16歳以下
が13人。うち17歳以上の2人が「(服用と死亡の)因果関係が否定できない」
とされ、残る37人は「因果関係が否定的」「なし」だったという。
●● 鳥インフルエンザが変異して発生する可能性が指摘されている
新型インフルエンザに対して、現時点で、唯一有効とされている
治療薬がこの「タミフル」です。
日本国内の販売元である中外製薬のWEBサイトには、効能として
下記の記載があります。
A型又はB型インフルエンザウイルス感染症及びその予防
http://tinyurl.com/9fn6o
ただ、予防に用いる場合には、インフルエンザウイルス感染症を
発症している患者の同居家族又は共同生活者で、健弱者の人を対象
として挙げており、基本的に感染した人が服用する治療薬です。
このタミフルの効果は、具体的には、体内でインフルエンザウイルス
の増殖を食い止める点です。
そのため、インフルエンザに感染してから、48時間以内に服用しな
ければ効果がないといわれています。
ただ、インフルエンザに対して唯一の治療薬ではありますが、
その副作用は大きいといえます。
前述のWEBサイトには、下記の副作用が掲載されています。
カプセル剤の承認時までの調査309例において、副作用は、
85例(27.5%)に認められた。主な副作用は、腹痛21件(6.8%)、
下痢17件(5.5%)、嘔気12件(3.9%)等であった。(承認時)
ドライシロップ剤(1~12歳の幼小児)の承認時までの調査70例
において、副作用は35例(50.0%)に認められた。主な副作用は、
嘔吐17件(24.3%)、下痢14件(20.0%)等であった。(承認時)
また、重篤な副作用として下記の症状が挙げられています。
1)
ショック、アナフィラキシー様症状
2) 肺炎
3) 肝炎、肝機能障害、黄疸
4)
皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死症
5)急性腎不全
6)白血球減少、血小板減少
7)精神・神経症状
8)出血性大腸炎
薬物は基本的に全て毒物であるといわれていますが、このタミフルは、
その毒性も極めて強いといえそうです。
ただ、服用後の死亡例が39例報告されていますが、タミフルの副作用
が死因とされているのは、そのうちの2例のみ。
それ以外の37例は、タミフルとの因果関係はないとされています。
そのため、厚生労働省は、下記の内容をWEBサイト上で公表しており
ます。
厚生労働省としては、現段階でタミフルの安全性に重大な
懸念があるとは考えていません。
医薬品は、人体にとって本来異物であり、何らかの副作用が
生ずることは避け難いものです。
タミフルは医薬品として高い有用性が認められるものであり、
通常のインフルエンザ及び新型インフルエンザ対策の上で、
必須の医薬品と考えられています。
タミフルは、2001年から日本国内で販売されている治療薬です。
新型インフルエンザに対する懸念と共に急速に注目を集めた薬物
といえますが、慎重かつ適正な服用が必要であるといえそうです。
厚生労働省:新型インフルエンザ対策関連情報
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html