「1年以上の長期休暇を」ただし–無給

「1年以上の長期休暇を」ただし–無給

   厚労省研究会がモデル案

      ~日経新聞 2004/06/24 社会面から

長期休暇は年単位で――。厚生労働省の専門研究会は二十三日、労働者の働く
意欲の向上などにつなげるため、目的を限定しない一年以上の長期休暇を
取得できる制度の導入を、企業に求める報告書をまとめた。制度が企業の
負担にならないよう休暇中は無給を前提にすることなどをモデル案として
示し、導入を促す考えだ。

●● 今年、企業が予定している夏休みの日数は平均8日。

   この調査は、厚生労働省が全国1330社を対象に調査し、1157社から
   回答を得た結果です。

   今年は、その調査対象の中に、夏休みが25日という企業が2社あった
   ようです。

   25日という休暇は、おそらく、7月の土曜日から次の日曜日までの
   9連休と、8月の土曜日から翌々週の日曜日までの16連休をとり、
   両者を足して25連休となるのではないかと予測できます。

   1157社中の2社というと、およそ0.2%に相当します。
   いったい、どうゆう企業が、このような休暇を取るのでしょうか。
   夏場にはあまり仕事がない企業なのでしょうか。
   もし、その企業をご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えて
   ください。

   今回、厚生労働省が提案した長期休暇は、最低でも1年という
   超長期休暇です。

   企業負担を考慮し、その間は無給とするようです。

   ただ、今回の提案は、単なる案というだけで、具体的な内容は公表
   されていません。

   例えば、休暇中の年金や健康保険などの保険料の取扱など、大きな
   問題が解決されていません。

   休暇中も保険料を会社が負担する場合、無給とはいえ、企業の負担は
   小さくありません。
   一方、休暇中を全額自己負担とすると、年間の保険料は数十万円程度
   は必要となります。
   無給の身には厳しい金額といえます。

   現在、大手企業の中には、このような超長期休暇制度がある会社が
   いくつか存在します。

   例えば、厚生労働省がモデルケースとしている大阪ガスの場合、
   勤続満5年以上の社員であれば、本人の希望で1年以上4年以下の長期
   休暇を取得できます。

   休暇中は休職扱いとされ、給与は支給されませんが、自己実現支援金
   として、年収の4分の1相当が給付されます。
   実際に、資格取得やボランティア活動のため、この制度を利用している
   社員がいるようです。

   また、中小企業の場合、14日以上の長期休暇を導入すると、助成金が
   支給される制度があります。

    『中小企業長期休暇制度モデル企業助成金』

   長期休暇制度導入の最も大きな意義は、個人の個性や生き方の重視
   です。

   企業側にとって、導入の難しい制度だといえますが、長期的な視点
   からみると個人にとっては魅力的な制度だと考えられます。

《関連Webサイト》 大阪ガス