ウイルス対策ソフト、各社が検証体制見直し
~日経新聞 2005/04/26 11 面から
コンピューターウイルス対策ソフト最大手のトレンドマイクロが大規模な
パソコン障害を引き起こしたのを受け、マカフィー(東京・渋谷)など
同業各社は社内のソフト検証体制を見直し始めた。トレンドマイクロの
障害の原因が人為的なテスト不足だったことから、各社は複数回のテスト
実施や利用者協力による検証で、同様な障害が再発するのを防ぐ。
はじめてのウイルスバスター2005
http://www.iw-jp.com/am.php?id=4777511081
●● 先週土曜日の早朝、その事件は起こりました。
AM7時からAM10時までの間に、トレンドマイクロ社のウイルスバスター
がインストールされたパソコンを起動した場合にのみ、パソコンが
異常に重くなるという障害が発生したのです。
この障害は、業務に支障をきたすレベルに達しており、鉄道会社や
通信会社など、常時パソコンを起動している企業を直撃し、一時的
に業務がマヒするような事態にまで陥ってしまいました。
トレンドマイクロ社によれば、この現象は、新しくリリースした
ウイルス対策用更新ファイルの不具合によるものだということ
でした。
また、不具合のある更新ファイルがリリースされてしまった原因は、
人為的なミスによるチェック漏れのためと発表しています。
この事件を受け、週明けの株式市場で、トレンドマイクロ社の株は
大幅反落し、年初来安値を更新してしまいました。
http://qrl.jp/?169816
一方で、ウイルス対策ソフトトップシェアである同社のシェア下落
を予測して、他のセキュリティソフト会社が株価を上げてきている
という状態になっています。
http://qrl.jp/?177999
また、今回の問題を受け、スタンダード&プアーズが、同社の
格付けを引き下げる方向で動き始めました。
単なる人為的なミスでは済まされない事態にまで広がってきてい
るといえます。
不具合が発生した時間帯が、土曜日の早朝からということもあり、
同社への問い合わせは個人の方が多くなっていますが、これが
平日であった場合、事態はさらに大きなものとなっていたことが
予測されます。
昨今のウイルス対策ソフトは、ブロードバンド環境が整ってきた
こともあり、更新ファイルなどを、自動受信し、自動的にインス
トールするという仕様が一般的になってきています。
これは、OSであるWindowsも同様です。
この自動更新は便利である反面、今回のような問題が発生する
可能性を持ち合わせています。
今回の事件を教訓に、各社がチェック体制を整えているという
今朝の記事は、利用者にとって朗報といえそうです。
《関連Webサイト》 トレンドマイクロ社
http://www.trendmicro.com/jp/