パソコンメーカー、部品調達は液晶を注視

パソコンメーカー、部品調達は液晶を注視

   値下げ要求強める――DRAMは割安感

      ~日経新聞 2004/09/02 30 面から

パソコンメーカーが最大の関心を寄せる部品が、DRAM(記憶保持動作が
必要な随時書き込み読み出しメモリー)から液晶パネルに変わってきた。
一年半にわたり強含んだ液晶の大口取引価格が下落に転じ、コスト改善への
好機となったためだ。
「液晶パネルの調達費はパソコン販売価格の20―30%。これが安くなれば
コストは大きく下がる」。大手パソコンメーカーの調達担当者は液晶メーカー
への値下げ要求を強める。薄型テレビやDVD(デジタル多用途ディスク)
レコーダーといったデジタル家電に消費者の購買意欲が移っているうえ、
販売価格の下落に苦しむパソコンメーカーにとって、液晶の値下がりは
収益改善につながる福音といえる。

17インチ液晶ディスプレイを3万円台で

●● 日経記事のグラフを見ると一目瞭然ですが、パソコンモニター用の
   液晶パネル価格が、ここ数ヶ月で1割以上下落しています。

   連日、デルが、17インチの液晶付パソコンで、5万円台の商品を
   広告していますが、今秋以降、さらに安いパソコンが登場する
   可能性は高そうです。

   WindowsMeの発売から4年。
   買い替えには絶好の時期になるかもしれません。

   液晶パネルの価格だけでなく、今秋は、パソコンの性能自体が
   大幅に革新される時期にもなっています。

   インテルが6月に発表した新チップセット「915」と「925X」が
   搭載されたパソコンが出荷され始めるからです。

   チップセットは、パソコンの基幹部分でデータを受け渡しする
   重要な部品ですが、このチップセットの仕様が大幅に変更され
   ます。

   インテルもこの新しいチップセットを「10年に1度の大改革」と
   表現しています。

   チップセットには、CPU・メモリー・ハードディスク・モニタなど
   が接続され、それぞれの機器間でデータの受け渡しを行っていま
   すが、今回の新型製品では、それぞれの機器との接続方式が
   一新されます。
   そして、受け渡しの際のデータ送受信速度が数倍から数十倍
   速くなります。

   これまでパソコンは、機器それぞれの速度は速くても、接続部分の
   速度が、機器の速度に対応できず、全体としてのパフォーマンスが
   接続部分の速度に合せて低下してしまうといった傾向にありました。

   しかし、新しいチップセットは、機器それぞれの速度を十分活用
   できる性能を有しています。

   パソコン全体のパフォーマンスが、大幅に向上することは間違い
   ありません。

   ただ、一方で、チップセットに接続するケーブルやコネクタなどの
   物理的な仕様が大きく変更されていますので、従来の機器は基本的に
   接続できなくなります。
   パーツだけを使いまわすようなことができなくなるわけです。

   新しいチップセットを搭載したパソコンは、当然、従来のパソコンと
   比較して大幅なパフォーマンスの向上が期待できます。
   しかし、一方で、機器の多くを、新型の規格に対応したものに変更
   する必要があるため、価格的には、従来より高くなります。

   その価格の上昇を、モニタの価格低下で補うことができれば、今秋の
   パソコン販売は、かなり好調なものとなりそうです。

《関連Webサイト》 インテル