Rソックス開幕戦 「わざわざ日本で」裏事情


Rソックス開幕戦 「わざわざ日本で」裏事情

   

      ~日経新聞 2008/03/21 37 面から



レッドソックスが、わざわざ日本まで行って開幕戦を行う理由は?
松坂、岡島という日本人投手が所属し、チームの人気を日本でも拡大しようと
いうのは、誰でも推測できる。だが、レッドソックスが始めた旅行会社の
目玉が、5000ドル(約50万円)の日本開幕戦ツアーであることは、ボストン
以外ではあまり知られていない。


●● 米国の場合、ベースボールも完全なビジネスです。

   試合毎に巨額の資金が動き、収益が比較され、選手が動員されます。

   特にレッドソックスの場合、オーナーのジョン・W・ヘンリー氏が
   一代で巨万の富を築き上げた投資家ですので、より数字には厳しいと
   いえます。

   レッドソックスの観戦ツアーを一手に扱う旅行会社を創立
   したことをみても、オーナーのビジネス感覚の鋭さとその手腕が
   うかがえます。


   現在、米国、特に本拠地であるボストンでのレッドソックス人気は
   相当加熱しています。

   大きな要因は、ここ数年のチームの強さです。


   ご存じのように、レッドソックスは、1920年に経営難からベーブ・
   ルースをニューヨーク・ヤンキースにトレードに出しました。

   当時、数年おきにワールドシリーズ優勝をしていた常勝チームで
   あったレッドソックスが、そのトレード以降、優勝どころか、
   リーグ最下位に落ちるなど、不遇の時代に突入してしまいます。

   一方、ベーブ・ルースが移籍したヤンキースは、弱小チームから
   常勝チームへと変貌、毎年のようにワールドシリーズ優勝を遂げたの
   です。


   このことが、ベーブ・ルースの愛称「バンビーノ」をとって、
   「バンビーノの呪い」といわれました。
   この呪いは、、2004年のワールドカップ優勝まで84年間も優勝から
   遠ざかるという大きな呪いとなり、いつしかレッドソックス人気も
   低迷してしまう結果となったのです。


   しかし、2004年にワールドシリーズを制覇すると、3年後の昨年、
   2007年にもワールドシリーズ優勝。

   これで、「バンビーノの呪い」は完全に解かれたと、ファンは
   驚喜し、現在の爆発的な人気になっています。


   そのため、地元のフェンウェイパークでの開催試合は、全日程で
   満席状態。
   ファンは、周辺の地域で開催される試合を観戦しにわざわざ
   飛行機に乗って観戦旅行をする結果に。

   オーナーが設立した旅行会社もほくほくといった状態になって
   いるのです。


   今回の日本遠征も、ボストンからファンが大挙して押し寄せて
   くることでしょう。

   その観戦ツアーを扱うのは、もちろんレッドソックスが始めた
   旅行会社。

   見事なビジネスですね。


   選手にも一律400万円のボーナスが支払われるようですので、
   選手にとっても悪い話ではないでしょう。


   ただ、スタッフにはボーナスを支払う約束がなかったため、
   スタッフ全員が一時ボイコットをしたようですが、こちらも
   選手と同じボーナスが支払われることで和解したようです。


   レッドソックス開幕戦の開催は3/25。

   先発は松坂投手。

   日本テレビ系列で午後7時から放映されます。

   今から楽しみです。


   
《関連Webサイト》The
Official Site of The Boston Red Sox
http://boston.redsox.mlb.com/