余暇産業は必ず発展
日本人が経営できないはずはない
~日経新聞 2004/02/13 11 面から
昨年、運営会社が破たんした遊園地などのテーマパーク「レオマワールド」
(香川県綾歌町)が4月に営業を再開する予定だ。地元の要請で支援している
が、「高齢化社会の到来で余暇産業など第三次産業が発展するので必ず再生
できる」と自信をみせる。
レジャー施設が相次いで破たんするのは「初期投資が大きすぎたからだ」
と分析。外資が各地でゴルフ場を買収するのは「数百億円かけたコースが
十億円前後で買えるのだから魅力的」とし、「日本人が経営できないはず
はない」とレジャー関係者に奮起を促していた。
●● 先日本メルマガで、新生銀行再建に投資した米リップルウッド・
ホールディングスを紹介しましたが、日本国内にも、破綻した
企業に投資する資産家がいます。
加藤義和氏は、冷凍食品大手の加ト吉会長兼社長です。
家業であった水産加工業を、一代で上場企業にまで成長させた大
経営者です。
個人資産は100億を超え、加ト吉持ち株の配当だけでも年間1億円
を超えているという大資産家でもあります。
日経ビジネス2004.1.26号の、『平成の大旦那』という巻頭特集で
も加藤氏は日本の大旦那として最初に取り上げられています。
日経ビジネスの記事によれば、加藤氏がレオマワールドに投じた
個人資産は3.6億円。
加ト吉グループで投じた資金を合計すると、7.6億円になります。
レオマワールド再建には、加ト吉グループを筆頭に、4社が投資
しますが、総額は12億円。
もともとレオマワールドは700億円の巨額が投じ設立された一大
テーマパークです。
加藤氏は、レオマワールド再建について次のように語っています。
『700億円だったら運営は到底無理だけど12億円なら必ず成功する
よ。こんな安いものをなんで外資に買われなきゃならないか』
~日経ビジネス2004.1.26号
加藤氏は、ニューレオマワールドの運営会社である香川県観光開発
の社長に就任し、再建の陣頭指揮を取ることになります。
投資金額が低く済んだ分、入場料金を当初の約半額となる1,000円
程度に抑えたり、新たに温泉をひくなど改装にも力を入れ、
初年度から黒字を見込んでいるようです。
加藤氏は、このレオマワールドだけでなく、長崎屋や京樽の支援
など多くの企業へ投資しています。
名経営者であり大資産家でもある人々が、破綻した企業に支援の
手を差し伸べる。
こうした再建劇が今後増えていくのかもしれません。
《関連Webサイト》 加ト吉