インテル 日本通信と提携
無線LAN強化
~日経新聞 2004/01/23 面から
米半導体大手のインテルは22日、無線LAN(構内情報通信網)
サービスのベンチャー企業、日本通信(東京・品川、三田聖二社長)
と提携したと発表した。インテルは自社製半導体を採用する日本の
パソコンメーカーに日本通信の無線LANサービス用ソフトウエア
採用を呼びかける。
日本通信の無線LANサービス用ソフト「bアクセスWiFi」を
パソコンとセットで販売するか、事前に組み込むよう推奨する。
インテルは無線LANの利用者を増やして無線LAN接続機能を
持つMPU(超小型演算処理装置)「セントリーノ」の拡販につなげる。
●● インテルはこれまでも多くの企業と提携してきました。
ただ、インテルこれまで提携してきた企業の多くはNEC、IBM、
富士通、マイクロソフト、サン、シスコシステムズなど世界的な
一流大企業がほとんどでした。
しかし、今回提携する企業である日本通信は、日本国内でも知名度
の低い企業です。
これまで日経紙面でもほとんど掲載されたことがないような未上場
の一企業と、世界的なMPUメーカー・インテルとの提携は、非常に
興味深いものがあります。
日本通信株式会社は、日本初のMVNO(Mobile Virtual Network
Operator=仮想移動体通信事業者)を掲げ、1996年に設立された
企業です。
まだ社歴は8年足らずの新興企業といえます。
現在、日本通信が主に提供しているサービスは、『b-mobile』と
いうもの。 http://www.bmobile.ne.jp/
これは、DDIポケットのAirH”と、NTTコミュニケーションズや
JR各社が提供している無線LANスポットサービスを組み合わせて
ユーザーがあらゆる場所からいつでもインターネットに繋げる環境
を提供するというものです。
ネットに接続するための通信カードと、1年間の利用料金を含めて、
数万円程度のパッケージとして、家電量販店などで販売されて
います。
昨今は、ビジネスにおいて、ネットとメールが使えないと仕事に
ならないようなケースも多くなってきており、いつでもどこでも
ネットに接続できる環境の整備は急務といえます。
日本通信は、そうしたニーズを捉え、主にビジネス利用として
販売数を伸ばしてきています。
今回のインテルのとの提携によって、パソコンメーカーが一斉に
同社のソフトを採用し、パンフレットなどに『b-mobile』の活用
方法などを掲載した場合、利用を検討するユーザーが急増する
ことはほぼ間違いないでしょう。
今後、更に移動中にネット接続する必要性が高まることが予測
されますが、この日本通信株式会社が、MVNOとして、日本の
仮想移動体通信を引っ張っていく存在になるのかもしれません。
《関連Webサイト》 日本通信株式会社